こんにちは、Hiroroです。
前回の記事「NotebookLMの回答精度が上がる5つのノート術を見つけたので試す前にまとめてみた」の続きです。
あの記事を書いたとき、正直なところ「ソースの書き方を整えるだけで、そんなに変わるかな?」と半信半疑でした。NotebookLMがAIとして優秀であれば、多少ざっくりしたメモでも読み取ってくれるんじゃないか、と。
実際に試してみたら——想像以上に差が出ました。
同じ質問を5つ投げたうち、2つの質問でノート術なしのNotebookLMは「資料に情報がありません」と回答できなかったんです。ノート術ありの方は同じ資料から同じ情報を取り出して、ちゃんと答えてくれたのに。
今回はその検証プロセスをそのまま公開します。Before / Afterの回答の違いを見ていただくと、ノート術の効果が一目でわかると思います。
この記事でわかること:検証の準備と条件/5つの質問のBefore・After比較/差が出た理由の分析/特に効果の大きかったノート術3つ
SECTION 1:検証の準備——何を、どう比べたか
検証テーマ:DomoAI
今回の検証に使ったテーマは「DomoAI」です。シンガポール発のAI動画・画像生成ツールで、実写動画をアニメ変換したり、テキストから動画を生成したりできるサービスです。
このブログでも以前に取り上げたツールなので、情報量が確保しやすく、ノート術の差が出やすい題材として選びました。
用意した2種類のノート
同じDomoAIの情報を、まったく異なる書き方でまとめた2種類のノートを用意しました。
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ノート術なし(Before) |
ノート術あり(After) |
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見出し構造 |
ほぼなし・箇条書き中心 |
第1〜5章・H2・H3で階層整理 |
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文章の書き方 |
略語(V2V・I2V等)・短縮メモ |
完全な文章+補足説明あり |
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情報の粒度 |
キーワードの羅列 |
文脈を含む詳細な説明 |
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ソース末尾 |
なし |
「使用ソース」セクションあり |
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1ノートの範囲 |
全情報を1つに混在 |
章ごとにテーマを明確に分割 |
Hiroroのひとこと|ノート術なしのものは私がざっくりまとめたメモ形式。ノート術ありは前回記事の5つのコツをすべて意識して書き直したものです。
検証方法
この2つのノートをそれぞれ別のNotebookLMノートブックに読み込ませ、同じ5つの質問を投げました。回答の内容・深さ・答えられたかどうかを比較しています。
条件統一:質問文はまったく同じ。ノートブックの設定も同一。違いはソースの書き方だけです。
SECTION 2:Before / After 比較——5つの質問の結果
それでは実際の比較結果を見ていきます。
質問①:高品質な動画を作るためのプロンプトのコツは何ですか?
【ノート術なし】プロンプトの基本構成として「主題+動作+環境+スタイル+カメラ+ライティング」が基本と回答。英語推奨・AI最適化ボタン・CAM記法の存在に触れた。カメラワードの一覧を箇条書きで列挙。
【ノート術あり】同じ基本構成に加え、「短くシンプルに始めてから要素を追加する」「参照画像・動画を活用する」「Relaxモードで試行錯誤する」「入力素材の品質を上げる」という具体的なコツを順序立てて説明。カメラワークの各項目に「なぜ使うか」の理由まで補足された。
検証結果|情報の「深さ」が違う。ノート術なしは何ができるかを列挙するだけ。ノート術ありはなぜそれが効果的かという文脈まで回答に含まれた。
質問②:CAM記法を使ったシーン分割の具体的な書き方は?
この質問が今回の検証で最も差が出たポイントです。
【ノート術なし】「提供された資料には、CAM記法の具体的な書き方や入力フォーマットに関する詳細な説明は含まれていません」と回答。Web検索を実行してもよいか確認を求めてきた。
【ノート術あり】「CAM 番号(開始秒-終了秒s):カメラワークやシーンの説明」という書式を明示し、具体的な記述例(探偵のシーン3カット)をそのまま提示。各シーンを5〜10秒のショットに分割して考えると書きやすいというコツまで回答に含まれた。
検証結果|「答えられるか・答えられないか」という根本的な差。ノート術なしは略語で「CAM記法でシーン分割可」と一行書いただけ。ノート術ありは完全な文章で書き方を丁寧に説明していたため、NotebookLMが回答の根拠として使えた。
質問③:シーン分割以外のプロンプトのコツを教えて
【ノート術なし】基本構成・英語推奨・カンマ区切り・AI最適化ボタン・スタイル一覧・カメラワード一覧を箇条書きで羅列。情報は揃っているが、どれが重要かの優先順位がなく、フラットな列挙になった。
【ノート術あり】「短くシンプルに始める(理由付きで解説)」「カメラワークとスタイルのキーワードを効果的に使う」「AI最適化ボタン」「参照画像・動画」「入力素材の品質」「Relaxモードで試行錯誤」という6項目を、重要度の高い順に整理して回答。各項目に具体的なキーワード例も添えられた。
検証結果|「回答の構造」が違う。ノート術なしは情報を並べただけ。ノート術ありは優先順位と理由がセットで整理された回答になった。
質問④:アニメ風の動画を作るのにおすすめのスタイルは?
【ノート術なし】「ジブリ・少年アニメ・少女アニメ・90年代・3Dカートゥーン」というスタイル名を箇条書きで列挙。スタイルテンプレートから選べるという説明あり。
【ノート術あり】アニメ系・3Dアニメ系・和風・レトロ系という4カテゴリに分類し、それぞれに対応する英語キーワード(ghibli animation style / soft watercolor texture / 3D Pixar style / ukiyo-e styleなど)まで併記。プロンプトに直接記述する場合とUIテンプレートで選ぶ場合の両方を案内。
検証結果|「回答の精度」が違う。ノート術なしはスタイル名だけ。ノート術ありは実際にプロンプトで使える英語キーワードまでセットで回答された。
質問⑤:実写をアニメ化する際の「Fusion Style」とは?
【ノート術なし】「提供された資料の中には、Fusion Styleに関する記載は含まれていませんでした」と回答。Web検索を提案してきた。
【ノート術あり】「Video to Video機能における、参照画像やテキストを用いて独自スタイルを動画に適用できる機能」と定義を明示。既存の46種類以上のスタイルにとらわれないオリジナルテイストを作れる点、明るく被写体がはっきりした素材を使うと高品質になる点まで回答に含まれた。
検証結果|質問②と同じ構図。ノート術なしのメモには「Fusion Style」という言葉が文脈なしで一箇所しか登場しておらず、NotebookLMが根拠として使えなかった。ノート術ありでは完全な文章でFusion Styleの説明が書かれていたため、そのまま回答に活用された。
SECTION 3:なぜここまで差が出たのか
答えられなかった2問の共通点
今回の検証で最も印象的だったのは、質問②(CAM記法)と質問⑤(Fusion Style)でノート術なしが完全に答えられなかったことです。
この2つの質問に共通しているのは「情報がノートに存在はしているが、文脈なしの略語・箇条書きで書かれていた」という点です。
ノート術なしには「CAM記法でシーン分割可」という一行と「Fusion Style」という言葉だけが存在していました。NotebookLMはその言葉を見つけることはできても、「それが何であるか」を説明する文章が周辺にないため、回答を生成できなかったのです。
NotebookLMは検索エンジンではなく「読んで理解するAI」です。単語が存在していても、文脈がなければ回答の根拠として使えません。
「Garbage in, garbage out」は本当だった
前回の記事でも紹介した原則——「ゴミを入れれば、ゴミが出てくる」——を実感しました。
略語だらけのメモ、文脈のない箇条書きは、NotebookLMにとって「読み取れない情報」になってしまいます。同じ内容が書いてあっても、書き方次第でここまで差が出るとは思っていませんでした。
Hiroroのひとこと|正直、侮ってました。AIが「よしなに読み取ってくれる」と思っていましたが、そんなことはなかった。情報が存在することと、AIが活用できる形で書かれていることは別の話なんですね。
差を生んだ3つの書き方の違い
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書き方の違い |
ノート術なし |
ノート術あり |
影響 |
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文章の完結性 |
略語・短縮メモ |
完全な文章+補足 |
答えられるか否かに直結 |
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見出し構造 |
ほぼなし |
H2・H3で整理 |
回答の優先順位・整理度 |
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情報の文脈 |
単語の羅列 |
理由・背景を含む |
回答の深さ・精度 |
SECTION 4:特に効果の大きかったノート術3つ
5つのノート術のうち、今回の検証で特に効果を感じたものを3つ挙げます。
第1位:コツ②「完全な文章で書く」
今回の検証で最も差が出たのがこのコツです。略語・短縮メモを完全な文章に書き直すだけで、「答えられない」が「答えられる」に変わりました。
「CAM記法でシーン分割可」→「CAM記法を使うことで複数のカメラショットを時間軸で指定でき、各シーンを5〜10秒のショットに分割して考えると書きやすい」
この一文の違いが、回答できるかどうかの分かれ目でした。
すぐに実践できる一歩:箇条書きの各項目に「一文の補足説明」を添えるだけ。それだけでNotebookLMが使える情報に変わります。
第2位:コツ①「見出しで構造化する」
見出しがあることで、NotebookLMは関連セクションをピンポイントで特定できます。質問③(プロンプトのコツ)の回答で、ノート術ありが優先順位付きで整理された回答を返せたのは、見出し階層で情報がグループ化されていたからです。
特に「プロンプト設計ガイド」という章タイトルと「高品質プロンプト設計のコツ」というH3見出しが、質問の意図とぴったり対応していたことが大きかったと思います。
第3位:コツ③「ノートをソースとして意識して書く」
ノート術ありの末尾には「使用ソース」セクションがあり、参照元が明記されていました。これがNotebookLMの出典確認機能と組み合わさって、回答の信頼性が上がる効果につながっていると感じます。
「このメモはいつかAIのソースになる」と意識するだけで、書き方が自然と丁寧になりました。
まとめ:質問を工夫する前に、ソースを整える
今回の検証で一番伝えたかったことはシンプルです。
NotebookLMの回答精度は、質問の仕方より「ソースの書き方」で決まる。
同じ情報が書かれていても、略語・箇条書きだけのメモと、完全な文章で構造化されたノートとでは、NotebookLMが引き出せる情報がまったく違います。
今回の検証結果をひとつの表にまとめると、こうなります。
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質問 |
ノート術なし |
ノート術あり |
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①プロンプトのコツ |
回答できた(浅い) |
回答できた(深い・構造的) |
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②CAM記法の書き方 |
回答できず・Web検索を提案 |
具体例つきで回答できた |
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③シーン分割以外のコツ |
回答できた(フラットな列挙) |
回答できた(優先順位付き) |
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④アニメスタイルの選び方 |
回答できた(名前のみ) |
回答できた(英語KW付き) |
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⑤Fusion Styleとは |
回答できず・Web検索を提案 |
定義・使い方まで回答できた |
5問中2問で「答えられない」という差は、思った以上に大きいです。
まず試すなら「略語をやめて一文の補足を添えるだけ」から始めてみてください。それだけでNotebookLMが使える情報に変わります。前回記事で紹介した5つのコツのうち、コツ②「完全な文章で書く」を最初の一歩にするのがおすすめです。
Hiroroのひとこと|次はコツ③「ノートをソースに変換する」機能を使って、ブログのネタ帳メモをNotebookLMに読み込ませる実験をしてみようと思っています。結果はまた記事にします!
次回予告|次回:ブログのアイデアメモをNotebookLMのソースにして、記事構成の相談に使えるか試してみます。

