はじめに
YAMATO SOULSでは、動画生成AIで作った5〜8秒の映像を、何時間もループさせて使っています。継ぎ目でカクッと跳ねたり、山や建物が溶けたりすると、長く流すほど目立ちます。
音楽をGemsで見直すようになり、動画の確認にも使ってみました。動画生成では、継ぎ目や形の崩れが気になることがあるためです。この記事では、動画判定用のGemの作り方と、実際に採点して分かったことを紹介します。
この記事でわかること
- 動画判定用のGemに入れた「4項目・100点満点」の採点基準
- 生成した動画をGemに渡して判定する手順
- Gemの修正案をそのまま使って失敗した例と、その直し方
動画をGemsで判定する3つのステップ
ステップ1:調べた資料をもとに、判定用のGemを作る
Gems(Geminiに役割や指示を覚えさせて、何度でも呼び出せるようにした専用のアシスタント)は、名前と指示(カスタム指示)を設定し、必要に応じて知識ファイルを追加して作ります。Google公式:カスタムGem作成のヒント
音楽で使っていた方法は、GemsでBGMを採点・改善した記事にまとめています。今回は、動画が破綻しにくい条件を調べて、3つの資料にまとめました。
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資料 |
中身 |
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動画プロンプトの設計 |
Flow・Kling・DomoAI・Geminiで、開始・終了フレーム(動画の最初と最後に指定する画像)を使うときの書き方 |
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画像の設計 |
動画の最初の1枚になる画像を、カメラ位置・地形・光がずれないように作る方法 |
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同じ画像を使う設計 |
開始・終了フレームに同じ画像を置いてループさせるときの書き方 |
この3つを要約して知識ファイルにし、Gemの指示には「ループ動画として成立しているかを判定し、破綻の原因と修正プロンプトを出す」役割を書きました。
採点基準は、ループ動画で目立つ順に配点しています。
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項目 |
配点 |
見るところ |
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つなぎ目のシームレスさ |
40点 |
最後から最初に戻る瞬間に、跳ね・ワープ・光のチラつきがないか |
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周期運動の自然さ |
30点 |
葉・水面・霧などの動きが自然で、元の状態に戻っているか |
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カメラ固定・形の安定 |
20点 |
勝手なパン・ズームや、山・岸・建物の変形がないか |
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画面の純度 |
10点 |
人や文字が湧く、ほとんど動かない、などがないか |
出力の形も決めておきました。「判定とスコア → 良い点・破綻した点 → 原因(プロンプトか画像か) → 修正プロンプト(英語)」の順です。毎回同じ形で返ってくるので、ツール同士を比べやすくなります。
ステップ2:動画と使ったプロンプトを一緒に渡して採点する
判定するときは、Gemに次の3つを渡します。Google公式ヘルプでも、Geminiに動画などのファイルをアップロードして分析する方法が案内されています。Google公式:ファイルをアップロードして分析する
- 生成した動画
- 開始・終了フレームに使った画像
- 動画生成に使ったプロンプト
プロンプトも渡すのは、原因が「書き方」なのか「画像」なのかを切り分けてもらうためです。
実際に採点した点数は次のとおりです。同じ背景画像と同じ内容のプロンプトで、ツールを替えて生成しました。
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動画 |
Kling |
Flow |
Gemini |
DomoAI |
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YS-079(神社の境内・紅葉の葉が揺れる) |
94 |
92 |
90 |
88 |
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YS-080(雪の庭の石灯籠・灯りの明滅と少量の雪) |
96 |
94 |
— |
92 |
点数は、採用候補を整理する目安になりました。ただし、表は今回の素材でGemが返した評価です。Google公式の品質スコアではなく、ツール全体の優劣や毎回の再現性を示すものでもありません。最後から最初に戻る箇所を自分の目で再生して、採用を決めています。
なお、2026年10月3日からは、YAMATO SOULSの動画生成はFlowだけで行っています。DomoAIとKlingは失敗が多く、サブスク代もかさむためです。Flowだけになっても、Gemの判定はそのまま使えます。
Flowの開始・終了フレームは、公式ヘルプでも「フレームの間で起きる動きや変化をプロンプトに書く」と案内されています。今回の採点基準は、そうした動きと継ぎ目を確認するために自分で決めたものです。Google Flow公式:Flowで動画を作成する
ステップ3:Gemの修正プロンプトは、そのまま使わず確認する
いちばんの失敗はここでした。
YS-079で「動きが控えめで、ループの折り返しで一瞬止まって見える」と指摘され、Gemの修正案どおりに動きを強める語(visibly、distinctly flicker and dance など)を足しました。すると、画面の右上から新しい紅葉の枝葉が生えてきて、継ぎ目で消えたり戻ったりしました。点数は74点まで下がりました。
そこで、次の3点に直しました。
- 枝と葉を分けて書く(枝は完全に静止、動くのは「今ある葉」だけ)
- 「新しい枝葉が生えない・画面の外から入ってこない」を書き足す
- 動きの強さは subtle(控えめ)に戻す
この再修正版で、Klingは95点、Flowは93点になり、Klingの動画を採用しました。
この経験から、動きをはっきりさせたいときも、動きを強める語は足さないことを自分の制作ルールにしました。Gemの修正案は、何を足して何を消したのかを確認してから使っています。
まとめ
音楽で使っていたGemsの判定を、動画にも広げました。採点基準を「つなぎ目40・周期運動30・カメラと形20・画面の純度10」に決めておくと、ツールを替えても同じ物差しで比べられます。
一方で、Gemの修正案は万能ではありません。動きを強める語を足して画面外から枝葉が生えたように、直した結果を必ず見て、もう一度判定にかけるのが大事だと感じました。
参考リンク
点数と修正の記録は、YAMATO SOULSの制作ログ(YS-079:2026年10月2日、YS-080:2026年10月3日)に基づきます。
公式情報確認日:2026年10月4日。採点・修正結果とFlowへ絞った判断は、Hiroroの制作記録です。

