はじめに
Gemini(4/15)→ ChatGPT(4/16)→ Claude(4/17)と、各AIの公式プロンプトガイドを読んできた私が、今日たどり着いたのはSkyworkです。
正直に言います。Skyworkは「ChatGPTやClaudeと同じ感覚で使おうとすると、最初よくわからない」ツールです。なぜなら、そもそも設計思想が違うからです。
ChatGPTやClaudeは「チャットで質問する→テキストで答えが返ってくる」ツールです。Skyworkは「プロンプトを入れる→調査+完成品のドキュメントが出てくる」ツールです。
でも、実際に使ってみてわかったことがあります。「DeepResearch(深いリサーチ)」という名前から「調べることが得意なんだろう」と思って使い始めたのですが、使い方を知らないと「参照元URLが貼り付いているだけのざっくり要約」で終わってしまうことがあります。
「詳しく調べて」「詳細なレポートを作って」と一言添えることで、他のAIと同じくらい深いリサーチをしてくれるようになる——これが今日の記事の核心です。
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📌 シリーズ案内 【4/15】Gemini Prompting Guide 101を日本語で解説 【4/16】OpenAI公式が教えるChatGPTプロンプトの書き方 【4/17】Anthropic公式が教えるClaudeプロンプトの書き方 【今日】Skywork DeepResearchと5つのスーパーエージェント(本記事) (▶ 4/15・4/16・4/17の記事はこちらにリンクを設置) |
第1章 SkyworkはChatGPT・Claudeとそもそも何が違うのか
1-1 チャットAI vs アウトプット生成AI
最大の違いは「何を出力するか」です。
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ChatGPT / Claude / Gemini |
Skywork |
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テキストで答えが返ってくる |
完成品のドキュメント・スライド・スプレッドシートが返ってくる |
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何でも答えてくれる優秀な会話相手 |
リサーチして完成品を作るアシスタント |
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出力はチャット画面のテキスト |
出力はDOCX・PPTX・XLSX・PDFなどのファイル |
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引用は自分で確認が必要 |
引用URLが自動でドキュメントに埋め込まれる |
Skyworkのキャッチフレーズは「AIワークスペースエージェントの先駆者」。チャットへの回答ではなく、仕事で使える完成品を作ることに特化しています。
1-2 DeepResearch(ディープリサーチ)エンジンとは
Skywork最大の特徴が「DeepResearch」という仕組みです。
通常のAIが「自分が学習したデータをもとに答える」のに対して、SkyworkのDeepResearchは「リアルタイムでウェブを検索してから文章を生成する」という設計になっています。
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特徴 |
内容 |
|---|---|
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検索ソース数 |
最大65のウェブソースをリアルタイムで検索・検証 |
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引用の自動埋め込み |
すべての情報に出典URLが付き、クリックして確認できる |
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ハルシネーション対策 |
複数ソースのクロスバリデーション(相互検証)で事実の整合性を確認 |
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GAIAベンチマーク |
複雑なタスク実行精度82.42点(OpenAI Deep Research:79点台を上回る) |
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💡 「図書館で自分で資料を調べてからレポートを書く」イメージです。ChatGPTが「頭の中の知識から答える」なら、SkyworkのDeepResearchは「リアルタイムで図書館に行って調べてから書く」感じです。だからこそ引用URLが自動でついてくるんですね。 |
1-3 ここが重要:Skyworkのリサーチはデフォルトが「要約モード」
これが今日の記事で一番お伝えしたいことです。
実際に使ってみてわかったのですが、「〇〇について調べて」「〇〇を教えて」という短いプロンプトだと、ChatGPTやGemini、Claudeならそれなりの深さで返ってくるのに、Skyworkでは参照元URLが貼り付いているだけのざっくり要約で終わることがあります。
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⚠️ Skyworkが「物足りない」と感じる場合の原因は、ほぼプロンプトにあります 「〇〇について調べて」という短い指示では、Skyworkは簡単な要約+URL貼り付けで完結することがあります。 「詳しく調べて」「詳細なレポートを作って」「1,500字以上で」などを加えるだけで、 他のAIと同水準以上のリサーチ品質になります。 |
Skyworkは「プロンプトの精度が出力品質に直結する度合いが、他のAIより高い」という特性があります。これはSkyworkが劣っているのではなく、「詳しく作業してほしい指示は明示してください」という仕様です。次の章でその対処法を詳しく解説します。
第2章 Skyworkで「ちゃんとリサーチ」させるためのプロンプト設計
これが今回の記事の最大の差別化ポイントです。使い方を知らないと損をする——その具体的な対処法をまとめます。
2-1 ナレッジベース(Knowledge Base)とは
まず「ナレッジベース」という機能の説明から始めます。
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📚 ナレッジベースとは? 自分が持っている資料・ファイル・情報をSkyworkに事前にアップロードしておく「専用の知識倉庫」のことです。 アップロードできるもの:PDF・DOCX・CSV・画像・URLなど 使い方:プロンプトに「@ファイル名」と書くことで、ナレッジベース内の資料を参照させることができます。 活用例:過去記事・社内資料・参考論文・自分のスタイルをまとめたメモ などをアップしておくと、 自分のブランドボイスや過去データに基づいたコンテンツが生成されます。 |
ナレッジベースは「リサーチの深さ」と「ハルシネーション対策」の両方に効きます。「先に信頼できる資料を入れてから調査させる」という順番が重要です。
2-2 深いリサーチを引き出す5つのコツ
各コツにプロンプト例をセットで紹介します。
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1 |
「詳しく」「詳細に」を必ず入れる |
短いプロンプトでは要約で終わりやすいです。「詳しく」「詳細に」「包括的に」という言葉を加えるだけで深さが変わります。
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❌ 要約で終わりやすい |
✅ 深いリサーチが出やすい |
|---|---|
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「AIプロンプトガイドについて調べて」 |
「AIプロンプトガイドについて詳しく調べて。各AIツールの特徴と違いを詳細に解説して」 |
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2 |
文字数・セクション数を明示する |
量の指定が実質的な深さの指定になります。
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AIツール初心者向けに、NotebookLMの使い方を1,500字以上で詳細に解説してください。 以下の5つのセクションに分けて、各セクション300字以上で書いてください: ①NotebookLMとは ②主な機能 ③使い方の手順 ④活用事例 ⑤注意点 |
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3 |
出力形式を最初から指定する |
「見出し付きのレポート形式で」「比較表を含めて」「箇条書きではなく説明文で」など、形式を先に言うと構成ごと意図に合った出力になります。
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2026年の生成AI市場動向について、以下の形式で詳細なレポートを作成してください: ・H2/H3見出し付きのレポート形式 ・各主要プレイヤーの比較表を含める ・APA形式のインライン引用を必ず付ける ・1,800字以上 |
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4 |
ナレッジベースで深さを底上げする |
自分が持っている資料をナレッジベースにアップしておくと、それを土台にした深いリサーチが可能になります。@マークで参照できます。
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@H’SAI_lab_brand_guide.pdf を参考にしながら、 Skyworkの使い方についてH’SAI labスタイルのブログ記事を詳細に書いてください。 読者はAI初心者の30〜40代、文体は親しみやすく専門用語はカッコ内で補足。 約5,000字、共感フック→解説→実践例→CTA の構成で。 |
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5 |
Clarification Card(確認カード)に丁寧に答える |
プロンプトが曖昧だとSkyworkが「確認カード」を出すことがあります。これを面倒と思わずに丁寧に答えることが、深いアウトプットへの近道です。カードへの回答で「目的・対象読者・制約条件」を補足すると、初稿から精度が高い出力が返ってきます。
2-3 ハルシネーション(AIの作り話)対策
引用機能があるSkyworkでも対策は重要です。実践的な3ステップを紹介します。
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対策 |
具体的な方法 |
|---|---|
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① 資料を先にナレッジベースへ |
信頼できるPDF・記事をアップしてからリサーチ指示を出す |
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② 引用URLを必ず確認 |
生成後にリンクをクリックして出典の内容と一致しているか確認 |
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③ 追加質問で根拠を求める |
「この情報の根拠を具体的に示して」と追加質問する |
第3章 5つのスーパーエージェント全解説
Skyworkには目的別に5つの専門エージェントがあります。General Agent がすべての入口で、タスクに応じて自動的に最適なエージェントが選ばれます。
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エージェント |
主な機能 |
出力フォーマット |
|---|---|---|
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Documents Agent |
調査+引用付き文書生成 |
DOCX / PDF |
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Slides Agent |
プレゼン資料自動生成 |
PPTX |
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Sheets Agent |
データ分析+グラフ・数式生成 |
XLSX |
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Podcast Agent |
テキスト→音声コンテンツ変換 |
音声ファイル(英語中心) |
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Website Agent |
プロンプト→HTMLページ生成 |
HTML / ウェブ公開 |
Documents Agent(ドキュメントエージェント)
調査からDOCX・PDF形式の引用付き完成原稿まで一気通貫で生成します。ブログのリサーチ記事・ビジネスレポート・競合調査に最適です。
H’SAI lab 向けプロンプト例:
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AIツール比較について詳細な市場調査レポートを作成してください。 ・比較対象:ChatGPT・Claude・Gemini・Skywork ・各ツールの強み・弱み・料金・対象ユーザーを詳細に ・H2/H3見出し付き・各セクション400字以上 ・APA引用付き・比較表を最低1つ含める ・約3,000字 |
Slides Agent(スライドエージェント)
プロンプト1つでPPTXが生成されます。「Documents Agentで作ったレポートをそのままスライドに変換して」という連携ワークフローが最大の強みです。
注意点として、日本語フォントの表示崩れが起きることがあるため、生成後に必ず確認してください(詳細は第5章)。
Sheets Agent(シートエージェント)
CSVやデータを渡すと、自動でグラフ・計算式・条件付き書式入りのスプレッドシートが生成されます。「この売上データからYoY成長率グラフを作って」の一言で完成品が出ます。
Podcast Agent(ポッドキャストエージェント)
テキストや資料を渡すと音声コンテンツに変換します。現時点では英語中心での生成が基本です。「長い調査レポートを通勤中に聴けるPodcast形式にして」という使い方に向いています。
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⚠️ ポッドキャスト機能は現時点では英語が基本です。日本語での音声生成はまだ限定的なため、英語で生成したものを翻訳・活用するフローが現実的です。 |
Website Agent(ウェブサイトエージェント)
プロンプトからHTMLページを生成します。ランディングページ・イベント告知の簡易版を素早く作りたい場合に有効です。
第4章 General Agent の使い方 4ステップ
Step 1:ナレッジベースの準備(先にやると効果大)
プロンプトを書く前に、関連資料(PDF・DOCX・CSV)をナレッジベースにアップロードしておきます。自社データや自分のスタイルに基づいた出力が可能になり、第2章のハルシネーション対策にもなります。「調査する前に資料を渡しておく」この順番が重要です。
Step 2:プロンプトの入力(第2章のコツを実践)
マルチモーダル入力(テキスト・URL・画像・ファイル)に対応しています。エージェントを事前に選択する必要はなく、自然言語で入力するだけです。@マークでナレッジベース内のファイルを参照できます。
「詳しく・量・形式」を必ず入れる第2章のコツをここで実践します。
Step 3:DeepResearchの確認と精緻化
送信後にAIの「思考プロセス」が画面に表示されます。Clarification Card(確認カード)が出た場合は追加情報を入力することで精度が上がります。初稿が出たあとも会話形式で改善できます。
- 「セクション2をもっと詳しく書いて」
- 「比較表を追加して」
- 「全体を1.5倍の文量にして」
Step 4:マルチフォーマットエクスポート
DOCX・PDF・PPTX・XLSX・HTMLの各形式でエクスポートできます。「ドキュメントが完成したらそのままスライドに変換して」という連携ワークフローが最大の時短ポイントです。
第5章 使う前に知っておきたい注意点3つ
公式情報と実際に使ってみた体験をもとに、初心者が最初につまずきやすいポイントを正直にまとめます。
注意点①:料金プランの変化に注意(2026年2月〜無制限サブスク型に)
Skyworkは2026年2月のアップデートで、それまでのクレジット制から「無制限利用型のサブスクリプションモデル」に移行しました。
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プラン |
料金(目安) |
主な特徴 |
|---|---|---|
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Free(無料) |
0円 |
基本機能を試せる。同時実行・一部機能に制限あり |
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Basic |
約1,500〜1,700円/月 |
日常業務で安定利用したい場合に適切 |
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Plus |
約2,000円〜/月 |
動画生成や高度機能・複数タスク同時実行に対応 |
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⚠️ 料金プランは変化が速いため、最新情報は必ず skywork.ai 公式サイトで確認してください。 本記事の情報は2026年4月時点のものです。 |
無制限利用型になったことで「クレジット残量を気にせず使える」メリットが生まれましたが、プランによって同時実行数や一部機能に制限があります。まず無料プランで試してから、自分の用途に合ったプランを選ぶのがおすすめです。
注意点②:リサーチの深さはプロンプトで決まる(再確認)
第1章・第2章で詳しく説明しましたが、ここで改めて一言でまとめます。
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Skyworkを使いこなすには、プロンプトの書き方をある程度把握しておく必要があります。 「詳しく調べて」という一言を加えるだけで大きく変わります。 ChatGPTやClaudeより「プロンプトの精度が出力品質に直結する」ツールです。 使い始めは「物足りない」と感じることがあるかもしれませんが、 第2章のコツを使えばすぐに改善できます。 |
注意点③:日本語表示は必ず確認(たまに崩れることがある)
SkyworkはUIが日本語に対応しており、日本語での入力・出力にも対応しています。ただし、たまに日本語表示がおかしくなることがあります。
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症状 |
発生しやすい場面 |
対処法 |
|---|---|---|
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文字が英語になる |
スライド生成・ポッドキャスト |
プロンプトに「日本語で出力してください」を明示する |
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フォントが崩れる |
スライドのタイトルや見出し |
生成後にPowerPointで手動修正 |
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翻訳調になる |
英語ソースが多い調査テーマ |
プロンプトに「自然な日本語で」を追加する |
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ポッドキャストが英語 |
Podcast Agent 使用時 |
現状は英語生成が基本。日本語化は手動対応が必要 |
生成物は必ず一度確認する習慣をつけましょう。特にスライドとポッドキャストは日本語環境での品質が他のエージェントより安定していないことがあります。
第6章 4記事で見えてきた「AIツール使い分け」の答え
Gemini・ChatGPT・Claude・Skywork の4回にわたってプロンプトガイドと使い方を見てきました。最後に「どれをどう使うか」をシンプルにまとめます。
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やりたいこと |
おすすめツール |
理由 |
|---|---|---|
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アイデア出し・汎用的な質問 |
ChatGPT |
最も汎用性が高く、何でも対応 |
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Googleサービスと連動した作業 |
Gemini |
GmailやドライブなどGoogle連携が強み |
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長文の分析・高精度な記事執筆 |
Claude |
長文コンテキストとXMLタグ構造が強み |
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調査レポート・スライド・複数形式の資料作成 |
Skywork |
ワンプロンプトで調査から完成品まで一気通貫 |
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NotebookLMとの連携・知識管理 |
Gemini + NotebookLM |
同一エコシステムでシームレスに連動 |
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ブログ記事の執筆(H’SAI lab) |
Claude + Skywork併用 |
Skyworkでリサーチ→Claudeで記事化が効率的 |
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💡 H’SAI lab での実際のワークフロー ① Skywork:テーマのリサーチ・競合調査(ナレッジベース活用) ② Claude:記事本文の執筆(XMLテンプレート活用) ③ ChatGPT:タイトル案・X投稿文の複数パターン生成 ④ Gemini:NotebookLMと連携したソース管理・要約 全部を1つのAIでやろうとせず、得意なことを使い分けるのが今の私のスタイルです。 |
まとめ
今日学んだことをまとめます。
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✅ SkyworkはチャットAIではなく「完成品を作るエージェント」——設計思想が根本的に違う ✅ DeepResearchはリアルタイム検索+引用自動埋め込みが強み ✅ デフォルトは「要約モード」——「詳しく」「詳細に」を加えるだけで深さが変わる ✅ ナレッジベース(Knowledge Base)に先に資料を入れると品質と信頼性が上がる ✅ 2026年2月から無制限サブスク型に移行——最新料金は公式サイトで確認 ✅ 日本語表示は生成後に必ず確認——特にスライドとポッドキャストは要注意 |
Skyworkは「調査が苦手」「スライドを素早く作りたい」「複数フォーマットの資料を一度に作りたい」という人に特に向いているツールです。ただし「プロンプトの書き方を少し覚えておく必要がある」という点は正直に伝えておきたいです。
次回予告:Mega-Prompt(CARE/PTCFフレームワーク)解説
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次回(4/19)は今日のSkyworkも含めて、ChatGPT・Gemini・Claude・Skywork すべてで使える 「Mega-Prompt(メガプロンプト)」というプロンプト設計フレームワークを紹介します。 Role・Task・Context・Formatを組み合わせるCAREフレームワークを中心に、 コピペで使えるテンプレートを8種類公開予定です。 H’SAI labの更新はX(@hiroro_ailab)でお知らせしています。フォローしてお待ちください! |

