はじめに|丁寧に作った管理表が、重荷になった
チャンネルを始めたとき、私はちゃんとした管理表を作りました。
制作管理表には、Skywork AIでの画像生成から始まり、Suno AIでの音楽生成、KlingAIでの動画化、Audacityでの音声処理、Canvaでの最終編集、サムネイル作成まで、6つのSTEPをひとつひとつ✓で管理できる仕組みを設計しました。
配信管理表には、配信予定日・曜日・実公開日・ステータスのほか、再生回数・CTR・視聴維持率・視聴時間・高評価数・コメント数・登録転換数……さらにX告知の有無、ブログ連動の有無まで、20項目以上を記録できるようにしました。
月次サマリーシートも作りました。登録者数・広告収益・Xフォロワー数の推移も記録できます。
完璧でした。
でも、あるとき気づいてしまいました。
「管理表を開いて埋めること」それ自体が、一つの作業になっていると。
💜 Hiroroのひとこと
「管理表を更新しなきゃ」というプレッシャーを感じ始めたら、それはもう本末転倒のサインだと思っています。管理ツールは制作を助けるためのもので、管理ツールのために制作するわけじゃない。
今回の記事は、そういう気づきから生まれた「仕組みの見直し」の話です。
第1章|何が問題だったのか——「記録のための管理」になっていた
制作管理表:6STEPは正確だが、入力コストが高い
YAMATO SOULS(大和魂BGM)の制作フローは、以下の6STEPで成り立っています。
- ① 画像生成(Skywork AI)
- ② 音楽生成(Suno AI)
- ③ 映像化(KlingAI)
- ④ 音声処理(Audacity)
- ⑤ 最終編集(Canva)
- ⑥ サムネイル作成(Canva)
毎週4本を制作するので、週16個のチェックボックスを管理する計算になります。これ自体は悪くない。問題は、それが「正確に記録できているか」を気にするあまり、更新のタイミングを逃して一気にまとめて埋める……という作業になっていたことです。
配信管理表:20項目超の入力は、記録係の仕事
配信管理表には、YouTubeアナリティクスの数値を毎週手入力する欄が多数ありました。CTR・視聴維持率・視聴時間・高評価数・コメント数・登録転換数……。
これらは月次サマリーを作るために必要なデータで、「いつか集計しよう」と思って作った欄でした。ところが実際には、数値を入れることに時間を使いすぎて、「何のための管理か」が見えにくくなっていました。
💜 Hiroroのひとこと
チャンネルを育てるためのデータ管理と、日々のオペレーションを回すための管理は、別物だったんですね。
前者はスプレッドシートが得意なこと。後者はTodoistが得意なこと。それを一つのツールでやろうとしていたのが問題でした。
⭐ ポイント
管理ツールには「記録・分析」と「行動トリガー」の2つの役割がある
スプレッドシートは記録・分析が得意。Todoistは行動トリガーが得意。
両方を一つのツールに求めると、どちらも中途半端になりやすい。
第2章|「一番忘れること」だけを管理する——整理して見えた本当の課題
チャンネル運営で一番やらかしやすいことは何か
管理を見直す前に、「大和魂BGMチャンネルで自分が実際に失敗しやすいことは何か」を正直に整理してみました。
制作フローの抜け(画像を作り忘れる、音楽を作り忘れる)は、実はほとんど発生しません。なぜなら制作は日曜日にまとめてやる習慣があるから。フローが身についている部分は、細かく管理しなくてもなんとかなっています。
問題は、制作後の「公開・告知まわり」でした。
Xの投稿、特に「リプライ」が一番抜ける
YAMATO SOULSのX運用では、YouTube動画1本につき以下の投稿が発生します。
【1本の動画に対して発生するXタスク】
|
No. |
投稿タイプ |
内容 |
忘れやすさ |
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1 |
日本語ポスト |
YouTube公開に合わせた告知(日本語) |
△ 比較的覚えている |
|
2 |
英語ポスト |
同内容を英語で作成・投稿 |
△ やや忘れがち |
|
3 |
日本語リプライ |
日本語ポストへの返信(YouTube URL掲載) |
🔴 一番忘れる |
|
4 |
英語リプライ |
英語ポストへの返信(YouTube URL掲載) |
🔴 一番忘れる |
日本語ポストと英語ポストは「投稿しなきゃ」という意識があるので比較的覚えています。でも、その後のリプライ——URLをリプライ欄に掲載する——これが抜ける。
週4本の配信があると、1週間で最大8件のリプライタスクが発生します。これを全部ちゃんとやるには、「リプライまで終わったか」を確認できる仕組みが必要でした。
⚠️ 注意点
X(旧Twitter)はポスト本文にURLを入れると表示上の不利(リーチ低下)があるため、このチャンネルではURLをリプライ欄に掲載する運用にしています。
そのため「ポストは投稿した=完了」ではなく、「リプライも投稿した=完了」という2ステップになります。これが抜けると告知として機能しません。
もふもふ睡眠BGMはなぜ対象外にしたか
今回の仕組み化は、大和魂BGMチャンネルのみを対象にしました。もふもふ睡眠BGMチャンネルはTodoistの管理対象外としています。
その理由は、両チャンネルの運営スタイルが違うから。もふもふ睡眠BGMは制作フローが比較的シンプルで、現状の運営ペースでも抜け漏れが少ない。同じ管理システムに入れてしまうと、タスクが増えて「管理のための管理」に逆戻りする可能性があります。
「全部管理しない」という選択も、シンプル化の一部です。
💜 Hiroroのひとこと
「管理対象を絞る」のは怖い感覚があるんですよね。抜け漏れが増えそうで。
でも実際には、管理システムが複雑になるほど「システムを維持すること」にエネルギーを使うようになって、本来の目的(チャンネルを育てること)から離れてしまう。シンプルさを保つのも一つの戦略です。
第3章|Todoistで設計した「4フェーズ管理」の仕組み
フェーズの設計思想
管理のシンプル化にあたって決めた原則は一つ。「次に何をすべきかが一目でわかること」です。
そのために、各動画の進捗を以下の4フェーズで管理します。
|
フェーズ |
状態 |
内容・やること |
|
① 制作前 |
Claude出力前 |
画像・音楽・動画・サムネイルのプロンプト、YouTubeタイトル・説明文、X投稿文をClaudeのプロジェクトで一括生成する前の状態 |
|
② 制作済み |
Claude出力完了 |
上記の全素材をClaudeで生成完了。そのまま実制作(SUNOで音楽生成、KlingAIで動画生成など)に入れる状態 |
|
③ YouTube予約完了 |
YouTube予約設定済み |
YouTube Studioで公開日時の予約設定が完了。あとはX投稿を待つだけの状態 |
|
④ X予約完了 |
X投稿完了 |
日本語ポスト・英語ポスト(各1)+リプライ(各1)の計4投稿すべての予約または投稿が完了。この動画は全工程終了 |
⭐ ポイント
「制作済み」と「YouTube予約完了」の間に時間差が生まれることがある(即日予約できない場合など)ため、この2つをフェーズとして分けました。
フェーズを前に進めるだけなので、更新にかかる時間は数秒です。
週次制作サイクルとの対応
YAMATO SOULSの制作・配信サイクルは以下の通りです。
|
曜日 |
役割 |
やること |
|
日曜日 |
制作DAY |
一週間分4作品をまとめて制作 Claudeで全素材を一括生成 |
|
月曜日 |
配信DAY① |
SAMURAI系動画を公開 X:日本語+英語ポスト+リプライ×2 |
|
水曜日 |
配信DAY② |
EDO系動画を公開 X:日本語+英語ポスト+リプライ×2 |
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金曜日 |
配信DAY③ |
HEALING系動画を公開 X:日本語+英語ポスト+リプライ×2 |
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土曜日 |
配信DAY④ |
JAPAN系動画を公開 X:日本語+英語ポスト+リプライ×2 |
日曜日に4本分の全素材をClaudeのプロジェクトで一括生成し、①制作前 → ②制作済みに移動。
その後、YouTube予約設定を行い③YouTube予約完了へ。配信日にXの投稿・リプライまで完了したら④X予約完了に移動します。
Todoistを開けば「今週の4本が今どのフェーズにあるか」が一目でわかります。④まで進んでいない動画がある場合、それが「今日やるべきこと」のサインになります。
💜 Hiroroのひとこと
ClaudeのプロジェクトでX投稿文(日本語・英語ポスト+リプライ)まで一括生成しているので、制作済みの状態になればX投稿自体の作業量はほぼゼロ。
問題は「生成したのに投稿を忘れる」ことだったので、Todoistでフェーズ管理することで「忘れていないか」を可視化できるようになりました。
第4章|スプレッドシートとTodoistの役割分担
今回の移行で、スプレッドシートをやめたわけではありません。役割を明確に分けました。
|
項目 |
旧:スプレッドシート |
新:Todoist 4フェーズ |
|
管理の目的 |
記録・集計・分析 |
行動の抜け漏れ防止 |
|
項目数 |
20項目以上(制作・配信・アナリティクス等) |
4フェーズのみ |
|
Xポスト管理 |
列で管理(済/未の切り替え) |
④フェーズ完了で一元管理 |
|
更新コスト |
高い(複数列・シートをまたぐ) |
低い(フェーズを動かすだけ) |
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続けやすさ |
開くのが億劫になりがち |
タスクビューを確認するだけ |
|
残す理由 |
— |
アナリティクス記録・月次サマリー用として役割分担 |
スプレッドシートは「データを蓄積・分析する場所」として維持します。月次のYouTubeアナリティクス数値(CTR・視聴維持率・視聴時間など)の記録や、登録者数推移の把握には今でも使います。
Todoistは「今日・今週の行動トリガー」として機能させます。
2つのツールに役割を分けることで、それぞれの強みを活かせるようになりました。
💜 Hiroroのひとこと
「良いツールを作ったのに使わなくなった」という経験、ブログ管理でもYouTube管理でも繰り返してきました。
道具は多機能なものより、「これだけのことをやる」と決めたシンプルなものの方が続く。当たり前のことだけど、実際に経験してみないと気づけないんですよね。
まとめ|「続けられる管理」が最強の管理
完璧な管理表は、使われなければ意味がありません。
今回の移行で、私が選んだのは「20項目の完璧な記録」より「4フェーズのシンプルな行動管理」でした。
ポイントをまとめます。
✅ 「管理ツールの更新が作業になっている」と感じたら、仕組みの見直しサイン
✅ スプレッドシート(記録・分析)とTodoist(行動トリガー)は役割が違う
✅ Xのリプライ忘れ対策として、④X予約完了フェーズを設ける
✅ 管理対象を絞ること自体も、シンプル化の戦略
🔲 実際に運用してどう変わったか——次の週次レポートで報告予定
まだ運用を始めたばかりなので、「これで完璧」とは言えません。実際に使い続けてみて、改善があれば次の週次レポートで正直に報告します。
📘 次回予告
次回(5/22):AI副業で実際にいくらかかっているか——Suno・KlingAI・Canva・Claudeの月額費用を全部公開します

