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GoogleがRiffusionを買収して生まれた音楽AI 『ProducerAI』を徹底解説【料金・使い方・Lyria 3 Pro】

「AIで曲が作れる」——そう聞いてもピンとこなかった時代は終わった。Googleが2026年2月に買収・統合した『ProducerAI』は、テキストを打ち込むだけで楽曲・歌詞・アルバムアート・ミュージックビデオまでワンストップで生成できるプラットフォームだ。

しかも2026年4月以降は、すでにGemini有料プランを使っているユーザーなら追加料金ゼロで利用できるようになった。音楽制作の経験がゼロでも、チャット形式でAIと対話しながら楽曲を磨き上げていける。

本記事では、ProducerAIの誕生の経緯・機能・料金・最新のLyria 3 Proアップデートまでを、公式情報をもとに整理してお届けする。

 

🟣 Hiroroのひとこと

わたし自身はまだ実際に触れていないので、今回は「公式情報の整理」に徹しています。使用感や実験結果は別記事でしっかりレポートする予定です。AI音楽ツールには以前から興味があったので、ちょっとワクワクしてます!

 

1. ProducerAIとは?——Riffusionから始まった音楽AI

ProducerAI(プロデューサーエーアイ)は、生成AIを活用して楽曲・歌詞・アルバムアート・ミュージックビデオを一括制作できる音楽プラットフォームだ。その前身はRiffusion(リフュージョン)という、画像生成の拡散モデル技術を音楽生成に転用したユニークなAIサービスだった。

2022年12月にオープンソースのホビープロジェクトとしてバイラルヒットし、2023年にはシード資金4,000万ドルを調達。The Chainsmokersらをアドバイザーに迎え、2025年7月にProducerAIとして正式ローンチした。そして2026年2月24日、Googleがこのサービスを買収しGoogle Labsに統合したと発表。翌25日にはGoogleのAIモデル群を搭載した新バージョンが公開された。

主要な沿革

時期

出来事

2022年12月

Riffusionとしてオープンソースのホビープロジェクトがバイラルヒット

2023年10月

Greycroft主導で400万ドルのシード調達。The Chainsmokersらがアドバイザーに

2025年7月

ProducerAIとして正式ローンチ

2026年2月19日

GeminiアプリへのLyria 3統合・30秒楽曲生成機能が追加

2026年2月24日

GoogleによるProducerAI買収・Google Labs統合を発表

2026年2月25日

Lyria 3プレビュー版搭載の新バージョン公開

2026年3月25日

上位モデル Lyria 3 Pro(最長3分生成)を発表

2026年4月3日

Google AIプランへのProducerAI統合開始(追加料金なし)

 

💡 ポイント

公式サイト:www.producer.ai(PC・モバイルブラウザ対応) 提供地域:250カ国以上 アクセス方法:Googleアカウントでログインするだけ

 

2. 使用AIモデルと技術基盤

ProducerAIは複数のGoogle DeepMindモデルを組み合わせて動作する。ユーザーは「何を作りたいか」に集中するだけでよく、モデル間の連携はAIが自動で処理してくれる。

モデル名

役割

Lyria 3 / Lyria 3 Pro

音楽生成の中核。プロ向け高品位音楽生成。リズム・アレンジ・テンポ・歌詞など細かいコントロールが可能

Gemini

チャットインターフェースの会話エンジン。自然言語での指示・対話を実現

Veo

動画生成モデル。楽曲に合わせたAIミュージックビデオを生成

Nano Banana

画像生成モデル。アルバムアート(ジャケット画像)を自動生成

SynthID(透かし技術)

全出力物にAI生成であることを識別する不可視の電子透かしを自動埋め込み

 

特にLyria 3はGoogleが「最先端の音楽生成モデル」と位置づけているもので、Riffusionの頃とは別物と言っていい品質に仕上がっているとされる。SynthIDの透かしは人間の耳には聞こえない形で楽曲に埋め込まれており、後からAI生成であることを確認できる仕組みだ。

 

3. Lyria 3 Proで何が変わったか【2026年3月25日発表】

ProducerAIとGoogleのAI音楽まわりで最大のアップデートが、2026年3月25日に発表されたLyria 3 Proだ。従来のLyria 3が最大30秒だった生成時間を、なんと最長3分まで拡張した。

Lyria 3 vs Lyria 3 Pro 比較

比較項目

Lyria 3

Lyria 3 Pro

最大生成時間

30秒

最長3分(約6倍)

楽曲構造指定

非対応

イントロ・バース・コーラス・ブリッジを指定可

音質

高品位

48kHzステレオ出力

Geminiアプリでの提供

無料ユーザーも利用可

有料プランのみ

APIモデルID

lyria-3-clip-preview(30秒)

lyria-3-pro-preview(最長3分)

API料金(Gemini API)

$0.04/曲

$0.08/曲

 

音楽的な構造への理解力が大幅に向上しており、「Aメロはゆったりしたピアノで、サビは激しいドラム入りで」といった細かい指示をプロンプトで渡せるようになった。コンテンツクリエイターが動画のBGMを作る用途から、本格的なシングル制作まで射程が広がったと言える。

展開先プラットフォーム

  • ProducerAI(無料・有料ユーザーともに利用可)
  • Geminiアプリ(有料プランのみ)
  • Google Vids(Workspaceビジネスユーザー向け、3月25日週より展開)
  • Vertex AI(パブリックプレビュー)
  • Gemini API
  • Google AI Studio

 

4. 主要機能ガイド——チャット形式で楽曲を磨き上げる

ProducerAIの最大の特徴は「スタジオでプロデューサーと作業するようなチャット形式の対話」にある。一発生成ツールとは違い、AIとのやり取りを重ねながら楽曲を段階的に仕上げていくプロセスが核心だ。

アイデアの5つの入力方法

  • テキストプロンプト(自然言語での説明)
  • 音声入力(鼻歌・ハミングなどのメロディ録音)
  • 画像アップロード(画像のイメージから楽曲を生成)
  • 既存楽曲のリミックス・バリエーション生成
  • スターターテンプレートの活用

 

「ローファイビートを作って」という一言から始めて、「もっとリバーブを深く」「低音をパンチのある感じに」と対話しながら仕上げていける。音楽制作の知識がなくても、日常言語でAIに伝えられる点が初心者にやさしい。

Composeパネルの主要コントロール

セクション

内容

LYRICS

歌詞の入力・編集。[]メタタグで楽曲の展開(ソロ・アウトロなど)をAIに指示可能。INSTRUMENTALトグルでボーカルなしBGM生成にも対応

SOUND

ジャンル・音色・テンポの指定。ADVANCEDモードでBPM・トラック長・シード値・モデル選択が可能

DETAILS

楽曲タイトルの設定

ARTWORK

画像アップロードまたはテキストプロンプトによるジャケット画像の自動生成(Nano Bananaモデル使用)

 

エクスポート形式

  • MP3 / WAV形式でのダウンロード
  • ステム(楽器パートごと)の個別ダウンロード
  • ミュージックビデオの生成・エクスポート(Veoモデル使用)

 

サイドバー主要機能

機能名

説明

Songs

過去に生成した楽曲の一覧・管理

Playlists

楽曲をテーマ別にまとめるプレイリスト機能

Spaces

自然言語でカスタム楽器・エフェクトアプリを生成(詳細は次章)

Music Videos

生成したミュージックビデオの管理

Projects

複数楽曲をフォルダ単位で管理

Turntable

AIモデルの精度向上のためのA/Bテスト(品質評価投票)機能

Sessions

AIとの過去のチャット履歴

 

REMIX機能

完成した楽曲を別ジャンルに変換したり、バリエーションを生成できる機能も搭載されている。

  • Start session:チャット形式で楽曲を部分修正
  • Variation:曲調を維持した別パターンの自動生成
  • Use prompt:元の生成プロンプトを再利用
  • Trim:必要部分のみを切り出し

 

5. Spaces機能——カスタム楽器をコードなしで生成

Spacesは、ProducerAIの中でも特に革新的な機能のひとつだ。ブラウザ上で動作するカスタム楽器・エフェクトのミニアプリを、自然言語だけで生成できる。楽曲そのものを生成するのではなく、「自分だけの音楽制作環境」をノーコードで構築できるという発想がユニークだ。

生成できるSpacesの例

  • シンプルなミニキーボード(コンピュータキーボードで演奏可能)
  • ノードベースのモジュラーオーディオパッチング環境「Node Atlas」
  • 3オシレーターグラニュラーシンセサイザー
  • 確率的シーケンサー付き909風ドラムマシン
  • カスタムDSPエフェクター

 

生成されたSpaceは他ユーザーと共有・リミックスが可能だ。MusicRadarは「ProducerAIの中で最も興味深い機能はSpacesである」と評しており、約10分で複数のカスタム楽器を生成できたと報告している。

 

6. 料金プラン——Google AIプランとの統合が鍵

ProducerAI 単体プラン

プラン名

月額料金

クレジット数

目安

Free(無料)

無料

毎日補充(限定)

お試し利用

Starter

$8 / 月

3,000クレジット

約600曲

Plus

$24 / 月

記載なし

より多くの生成

Member

$64 / 月

記載なし

最大の生成量

 

クレジット消費型のシステムを採用しており、無料登録時にクレジットが付与され、毎日のログインで補充される仕組みだ。

Google AIプランとの自動統合(2026年4月3日〜)

Google AIプランに加入しているユーザーは、追加料金なしで対応するProducerAIプランが自動的に利用できるようになった。

Google AIプラン

月額料金(US)

自動付与されるProducerAIプラン

無料プラン

無料

Free

AI Plus

$7.99 / 月

Starter(商用利用権込み)

AI Pro

$19.99 / 月

Plus(商用利用権込み)

AI Ultra

$249.99 / 月

Member(詳細は公式サイトで要確認)

 

💡 ポイント

注意:ProducerAIのクレジットはGoogle AIのクレジット(Flow・Whisk等で使うもの)とは完全に別枠です。追加購入はproducer.aiで行えます。

 

🟣 Hiroroのひとこと

GeminiのAI Plusプラン(月額$7.99)に入っていれば、ProducerAIのStarterプランが無料で使えるようになる。これ、わりとお得じゃないですか?すでにGeminiを使っている人は実質タダで音楽生成も試せるわけで、入らない理由がない気がします。

 

7. アーティスト連携——ミュージシャンと共に開発

ProducerAIはアーティストや音楽業界との協業を重視した開発が行われている。「AI vs 人間」ではなく「AIでクリエイターの表現を拡張する」というコンセプトが開発の根幹にある。

アーティスト

関与内容

The Chainsmokers

開発に参加。「ミュージシャンの体験を中心に作られており、創作プロセスに本当の付加価値を提供するツール」とコメント

Lecrae(グラミー賞受賞ラッパー)

アーティストパートナーとして参画

Wyclef Jean(グラミー賞受賞アーティスト)

Google DeepMindのMusic AI SandboxでLyriaを活用し「Back From Abu Dhabi」の制作に使用

François K(DJプロデューサー)

Lyria 3 Pro開発プロセスに参加。音質とプロフェッショナルワークフローへの適性を高く評価

Anjulie(シンガーソングライター)

開発協力アーティストとして参加

 

8. 著作権・安全性——Googleの取り組み

AI音楽生成ツールでは著作権問題が常に議論になる。SunoやUdioが2025年に大手レコード会社から著作権侵害訴訟を起こされた(その後和解)のに対し、GoogleはLyria 3の学習データについて明確な姿勢を示している。

学習データへの配慮

  • Lyria 3の学習には「YouTubeおよびGoogleが権利を持つ素材のみ」を使用
  • 特定アーティスト名をプロンプトで指定しても、そのアーティストを模倣しない設計
  • プロンプトでアーティスト名を指定した場合は「広範なインスピレーション」として参照するにとどまる
  • 既存楽曲との類似チェックフィルターを実装

 

SynthID電子透かし

ProducerAIで生成されたすべての楽曲・動画・画像には、Googleの電子透かし技術SynthIDが人間の耳には知覚できない形で自動的に埋め込まれる。これによりAI生成コンテンツであることを事後的に識別できる。Geminiアプリ上でも生成楽曲をアップロードしてSynthIDの確認が可能だ。

💡 ポイント

AI生成音楽の著作権ルールは各国で整備途上にあります。商用利用を検討する場合は公式利用規約を必ず確認し、自己責任で判断してください。現時点でGoogleに対する音楽著作権訴訟は提起されていません(2026年4月時点)。

 

9. 競合サービスとの比較

2026年4月時点の主要AI音楽生成サービスを比較してみよう。

サービス名

運営

主な特徴

ProducerAIとの差異

Suno

Suno AI

テキストから高品質楽曲。直感的なUI。ステム出力対応

対話・反復プロセスよりも単発生成重視

Udio

Udio

高品質ボーカル・楽器生成、細かいスタイル指定

カスタム楽器生成(Spaces)機能なし

ElevenLabs Music

ElevenLabs

音声・音楽生成に強み。API連携が充実

MV生成・カスタムDAW構築は非対応

ProducerAI

Google Labs

対話型制作・MV生成・Spaces・Googleエコシステム統合

——

 

ボーカル品質という点では2026年3月時点でSuno v5がリードしているとの評価もある。ただしProducerAIはGoogleエコシステムとの統合力・対話型制作プロセス・Spacesという独自の強みを持っており、単純な品質比較だけでは測れない魅力がある。

 

10. まとめ——Googleが本気で音楽AIに参戦

ProducerAIをまとめると次のようになる。

  • Riffusionを前身とし、2026年2月にGoogle Labsへ統合されたAI音楽生成プラットフォーム
  • Lyria 3・Gemini・Veo・Nano Banana という4つのGoogleモデルを連携して使用
  • Lyria 3 Proの登場で最長3分・楽曲構造指定が可能になり、実用性が大幅に向上
  • Spacesによるカスタム楽器生成という、競合にない独自機能を持つ
  • Google AI PlusプランユーザーはProducerAI Starterが追加料金なしで使える

 

「Googleが音楽AIに本気で参戦してきた」という印象を受ける発表が2026年2月〜4月にかけて立て続けに行われた。YouTube上での膨大な音楽データを持つGoogleが著作権をクリアした形で学習を進めている点は、SunoやUdioとの大きな差別化になりうる。

次回は実際にProducerAIを使ってみて、使用感・生成品質・BGM制作への活用可能性をレポートする予定だ。

 

🔵 次回予告

次回:ProducerAIを実際に使ってみた!BGM制作への活用可能性と正直レビュー

Lyriaで生成した楽曲の品質・使用感・Spacesの面白さを体当たりでレポートします。

ABOUT ME
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45歳からAI副業に挑戦中!派遣社員として働きながら、AIを武器に新しい人生を切り開くヒロロです。失敗も学びに変えて、リアルな挑戦を毎日発信中!
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